サラリーマンがサラリーマンを辞めることができない理由

お金

サラリーマンはサラリーマンを辞めたいと思ってもなかなかやめることができない。

理由の一つに当分の生活費が貯められないから、というものがあるがその理由を解説していきたいと思う。

前提として、以下の記事を読んでおくと理解が早い。

資本主義の本質は「商品の交換」によるビジネス

資本主義に参加している人間は全員何かしらのビジネスを行っている。

八百屋は野菜を仕入れて、野菜を売るというビジネスをしているし、美容室は技術のある人を雇って(≒仕入れて)髪を整えるというサービスを提供するビジネスをしている。
そして、その対価としてお金を受け取っている。

サラリーマンだって、立派なビジネスである。
自分の労働力を売って、その対価として賃金を受け取っている

ただし、サラリーマンと、ほかのビジネスの大きな違いが一つだけある。
利潤の有無である。

サラリーマンが売る労働力の値段には基本的には利潤はのっていない。
なので、月末にはもらった給料はほとんどゼロで、いくら頑張ってもサラリーマンだけをやって、サラリーマンを卒業することはできない

一方で、他のビジネスの場合はうまくいけば人件費を支払っても余るだけの利潤が残る。
頑張れば頑張るほど余る量が増え、それを投資に回すことで余計に働かなくて済むようになる。

同じように、商品の交換によるビジネスを行っているのに、サラリーマンの商品(=労働力)だけ利潤が乗っていないのはなぜなのだろうか

売値ー仕入れ値=利潤

利益を生むには、仕入れ値よりも売値を高くする必要がある。
当たり前の話であるが。

利潤を生む方法は2つしかない。

①仕入れ値を下げる
②売値をあげる

①仕入れ値を下げる

大企業であれば、規模の経済を活用して仕入れ値を無理やり生み出すことができる。

規模の経済とは、特に工業製品において量を作れば作るほどコストが下がることを指し示す経済用語である。
高校などの文化祭で作る、クラスTシャツを思い出してみてほしい
枚数が増えるほど単価が安くなっていたはずである。

サラリーマンに当てはめると、労働力の経費を下げることに該当する。
つまり、生活レベルを下げるのだ。

家賃の安いところに住み、食費はどうにか安いものを買い、なるべく遊びには行かない。
そうすれば、生活費が少なくなり利潤、つまり手残りするお金が増える

ただ、これは人間として生を保っているだけなので長くは続かないし、シンプルにつまらない人生である
生活レベルはある程度低く保つべきではあるものの、ゴールがなくそれを続けるのは難しい。

もう一つ、仕入れ値を下げる方法としては「サボる」がある。
おススメはしないが、効果はある。

②売値をあげる

結論から言うと、サラリーマンが労働力の売値だけを上げるのは無理である。

なぜならば、勤め先は労働力を回復させるための経費として給料を支払っているだけだからである。

会社は社員の成果などは見ていない

売値、つまり給料が上がったように見えるのは、きつい仕事をやってもらうことの前兆か、家族が増えたことによるものかそのどちらかしかない。
どちらの場合も、売値とともに仕入れ値も増えている

つまり、サラリーマンが利潤を出すことはできない仕組みになっているのだ。

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