「制約と誓約」は現実世界でも力を発揮する。何を犠牲に何を得るのか

講義

HUNTER×HUNTERでおなじみの「制約と誓約」。

「念」と呼ばれる特殊能力を武器に戦う登場人物たちだが、その能力というのはある種のルール(制約)を効果発動の条件として設定する(誓約)ことによって強力な効果が発動する、という設定になっている。

主人公のゴンは父親の親友を殺した敵をつぶすため、自身の寿命と才能を犠牲にして圧倒的なパワーを手に入れた。

あくまでも漫画の中の世界の話ではあるものの、制約と誓約という考え方自体は現実世界でも効果を発揮する

アムウェイをはじめとするマルチ商法は典型的

マルチ商法、もといマルチレベルマーケティングを使用するビジネスは、最もわかりやすい制約と誓約の手法であろう。

「アムウェイについて話をした相手はほぼ確実に友人・知人の輪から外れる」という制約をかけて
「時給以上のお金を得ることができる」という誓約を結んでいる。

実際にはどのように話をするのか、どの商品を紹介し仕入れるのかと言ったことに頭を悩ませなければならず、売り上げが上がるほど周りから人がいなくなってくるので長期的に見れば赤字になるのは間違いないのだが。

いい大学を目指すことも制約と誓約

実は制約と誓約というのは確実に利が得られるというわけではない

制約を守ったとて、力の近い方が下手であれば利は得られない。

大学受験が良い例である。
高校3年生、18歳というのはエネルギーと知性のバランスが最高でなんでもできる年である。

それこそ女性と交流しまくるのもよいし、マンガ・小説を読みまくるのもこの機会がチャンスである。
何かを作ろうとするのにもこの年齢が良い。

しかし、それらの可能性をすべて捨て(制約)勉強に資する時間を得るのだ(誓約)

ここで重要なのは、制約の結果得られるのは勉強をする時間のみである。
その後自分がどのように時間を使うのかは全く関係ないのだ。

作った時間をYouTubeに当てれば、目指すべき場所には行けないだろう。

モテ修行はかなり制約のえぐい誓約である

モテ修行はこれらに比べるとかなりえぐい制約と誓約である。

アポのためにお金と時間が無尽蔵に吸われていき、なおかつ少し踏み込みすぎると逮捕という社会的死が待っている。
それで得られるのは、女性との正しい交流のノウハウといくつかのセックスのみである。

だからこそ、実際に手を出すことのできる人は少ないのであろう。

文字にするとしょうもない褒美のように見えてしまうものの、実際にはこの能力を身に着けている人はほんの一握りなので、コンパなどでは無双できる。

何に重点を置くかで変わってくることではあるものの、個人的にはかなり良い取引だと思う。

結論

このように、現実世界にも「制約と誓約」に分類できる事象が山ほどある。

だが、どこにリソースを割くのか、どのような能力を手に入れるべきなのかということは自分の選択次第である。

自分は本当に何をしたいのか、本当に必要な能力は何かを考えながらどの種類の念を極め、どのような能力を手に入れるのかということを決めるべきである。

HUNTER×HUNTERにはほかにも人生に様々な示唆を与えてくれる表現がいくつもある。

本当に面白いので是非読んでみてほしい。

おはり

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